どんな「勉強」をしたら予防接種を受けさせないになるのかわからない

麻疹(はしか)の感染のニュースが各地であがっていて、その人がいた交通機関や会場にいた人達に注意喚起されるニュースがありました。
麻疹は感染力がすごく強くて広まりやすい病気です。

麻疹は小さい子供の病気のイメージが強いかもしれませんが、予防接種の効力が切れた大人*1の感染も多いみたいです。

特に妊婦さんが妊娠初期にかかってしまうと流産の可能性が高いので注意が必要ですね。

産まれたばかりの子にワクチンは打てませんが、お母さんが抗体を持っていた場合生まれた後しばらくはお母さんからもらった抗体が赤ちゃんを守ってくれます。妊娠希望の方は風疹や麻疹など自分に抗体があるかどうか検査しとくといいかもですね。

うちの娘ういちゃんには生後2ヶ月から予防接種をうけさせはじめ、1歳半検診までには任意を含めてその時までに受けれる予防接種は全部受けさせました。

まぁうちの親からは「そんな首もまだ座ってないうちからかわいそう」攻撃を受けたりとかしましたけど。

MR(麻疹・風疹)の予防接種は1歳になってすぐすませて*2ます。

私は予防接種についてしっかり勉強した結果、抗体は早めに作っとかないとむしろ予防接種で防げたかもしれない病気で苦しむことになった方がかわいそうと思い積極的に受けさせました。ワクチンの複数同時接種も賛成派です。

子宮頸がんワクチンについては副作用と言われている症状が本当にワクチンでの影響なのかどうか不安に感じていますが、それ以外のワクチンに関しては受けさせなかった場合のリスクの方が受ける場合のリスクを上回ると判断しています。

ここでいうリスクとは病気にかかった時のリスクだけでなく後述する社会的リスクも含みます。

しかし近年ちゃんと勉強した(?)結果子供に予防接種のワクチンを受けさせないという人が増えているのだそう。

※ちなみに今回これを読んでほしいのはお子さんに何らかの健康上のリスク(持病やアレルギーや障害等)があって予防接種を控えてるとかの事情をお持ちの方を除いた自称勉強した結果と言ってる方々です。

どんな勉強してるんだろう。エビデンス(情報の出処)は?

ワクチンの件に限りませんが「世間一般で〜と言われているのは実は嘘。なんとかの利権(陰謀)」という論はよく見ます。
そして「なるほどそうだったのかー、知らなかったわー、だまされてたんだ」と即座に反応するよくいえば素直、わるくいえば本当に騙されやすい人たちも多いようです。

この人達なんで「世間一般で〜と言われているのは実は嘘」というその話の方こそ嘘かもしれないと思わないんだろう。
ちゃんと自分で検証しようよ。そこまでしてはじめて調べた、勉強したってことになるのだと思うよ。嘘情報を拡散しちゃだめですよ。

まずは情報の根拠をしっかり確認しましょう。そもそも世の中の学術研究では「Aだよ」と言われていることに対して「いやいやその反対でBだよ」と言っている人がだいたいいます。それを研究する人が増えてくると「実はある条件下ではAだけど、それ以外ではBになる」ってことがわかったりします。そして沢山の後追い試験の結果どうやらそれが正しいようだなとなっていきます。物事ってのはそんなに単純じゃないってことですね。

現在主流になっている医学や科学言説はすべてこの工程を経てたくさんの専門家に支持されたことによってなりたっています。

予防接種をしましょうっていう説もそうです。
一度かかるとかからない→わざとかからせよう→ちょっと抗体をもらうためだったのにうっかり子供死亡→これはやばい→人工的にウィルスの毒性を弱めて抗体をつけさせよう→ワクチン接種のはじまりという歴史的流れを知ってたらわざわざ前時代のやばい方法にもどるリスクはとらないと思うんですけど。

でも科学や医学は常に誰かの命を救ったり、社会をよくするために研究が続けられてこれまでの定説が覆ることこそが技術革新につながることもままあります。

予防接種反対派の意見はそうなりえるんでしょうか?

まだ世に認められてない新説で研究途中だったりするんでしょうか?

まずは誰がどんな説をどういうデータに基づいていってるのかをまずは確認して欲しいです。
そしてそれに関する反証はおそらくあるだろうとご自分で調べて比較検討して見てください。*3最低限ここまでやってはじめて勉強したと言えるのでは?

ということで私も予防接種反対派の意見を調べましたけど、・・・・まず信用できそうな情報ソースがない

論文どころか実名を公表してる医療関係者や研究者のネット記事すら見つけられない。
私の探し方が悪いのかな?

むしろひとりくらいこの道の研究者いてもよくない?

私が探した限りあなた誰?っていう研究者でも医療関係者でも何でもない人が、どこで誰から聞いたのかもはっきり示さずに、根拠になるデータもなしに理論を展開しているものばかりでした。

予防接種否定派の人達が根拠としてあげる知り合いの医師とやらは実在するのか、そして本当に予防接種反対論を主張したのかどうかはっきりいって確認しようがない。

そんなに自信持って主張するならどこの誰かちゃんと公表して欲しい。
全部予防接種反対派の人達の作り出した妄想なのかな?

ちゃんと、エビデンスを示してくれないとそれが本当なのかどうか検討の余地すらないんだけど。

めんどくさいのでいちいちリンク貼りませんけど、予防接種ワクチンに含まれるなんとかが危険、その後の子供の発達に問題が…などについてはググれば簡単に反論が出てきます。しかもそちらはどこの誰かわかるようにちゃんと名乗ってるお医者さんや研究者が情報発信してるのが確認できるはずです。

どこの誰だかわかんない人や「・・・っていう話を聞いたんだけど」っていうただの素人と、そういう専門家のいっていることとどちらが信頼性があると思いますか?

予防接種をしなかった場合の社会的リスクを検討した?

反対意見の有識者が実名を公表できないのは製薬会社とか権力機構が・・・という方もいますね。

じゃあ、100万歩くらい譲って予防接種する方が危険ってのが本当だったとしましょう。そしてワクチンを打たないという選択をする場合、それによってどういう不利益を子供が受けるか検討しないといけないと思います。

進学や職業が制限される可能性

海外では既に決められた予防接種を受けていない場合、学校に入学できないという法律が実施されています。

日本でも今後同様の法律が定められたり、私立校で独自規定が設けられたりという可能性は高いと思います。

また資格取得に専門職のいくつかでは現場での実習が必要となりますが、予防接種を受けていない場合は医学、看護、教員の実習に参加できません

公務員、医療関係者などは自身が感染媒介者になるようなことがあってはならない人達です。就職してからも毎年のインフルエンザワクチン接種が義務づけられていたりします。

入国に予防接種を要求する国(地域)もありますので、予防接種拒否の場合そういう所にいく可能性がある職業にもつけないし旅行もできないことになります。

社会的リスクを賠償できる?

そもそもが予防接種は接種した人の病気予防と症状軽減のほか、病気を広めないようにという社会的観点から実施されているものです。

社会的に誰にも接触せずに暮らしていけるなら受けるかどうかは自己責任でお好きにで良いと思います。

でも毎日誰かしらと関わって生活していますよね?

水疱瘡や麻疹などは妊婦さんが感染した場合おなかの子供が死亡したり障害が残る可能性がある病気です。

病気は気をつけて予防していてもなってしまったらしょうがないのかもしれません。でも、それで他人にうつしてその人が死亡したり障害が残った時にしょうがないよねで済ませられるんでしょうか?

予防接種は健康状態から接種することができない子もいるため現在義務規定から努力義務に変更になっています。義務ではないですができるだけ打つ努力をする必要があるのです。他人に感染をさせた人がその努力義務をおこたっている人だったとしたら、感染被害者について訴訟を起こされたら負ける可能性が高いと思いませんか?

先ほどの医学や看護、教育の実習がうけれないのも、この観点で考えた時に勤務先企業や機関がそんなリスクを放置できるはずがないということなのですよね。

子供に社会的弱者の道を歩ませることに

今のところ予防接種反対派は少数派であり、何の後ろ盾もない説です。

そんな説を唱えても、前述のような社会的不利を被ったとしてもしょうがないとみなされると思います。

今後研究が進んだ結果、予防接種反対派の言い分が認められる日が来るかもしれませんが、通常最新の研究が世に広く認められるまでかなりの年数を要します。いつ来るか見通しのたってないその日まで、予防接種を受けないで育った子は社会的弱者です。

将来子供に恨まれるかも

定期接種に定められその対象期間内に接種をした場合は公費でまかなわれます。

予防接種を受けていないことが前述のように進学や就職の妨げになることに気づき、やっぱり受けようと子供自身が思うかもしれません。

でも定期接種で公費で受けれる期間はきまっていますので、大人になってから受けたいなと思った時には自費でうけるしかありません。*5

自費のワクチンは一回6000円とかします。しかも複数回打たないといけないものもありますから、複数のワクチンを受けようと思うとかなりの負担額になるでしょうね。

誰が払うんでしょうか?子供が自分で払いながら親を恨む……って考えるとゾッとしますね。

ここまでのリスクをとってまで裏付けのない説をとるメリットがある?

このように、今のところあるかどうかわからないメリットより確実にあるリスクの方が大きすぎて、予防接種を受けさせないという選択をする気に私はなれません。

もし自分や近しい家族が子供のころに予防接種を打たれたことによってなんらかの障害等が残っていて、それと同じリスクを子供に与えたくないっていうならわかるんですよ。遺伝的な体質リスクとかあるかもしれませんし。でも幸運にも(?)私特にそんなことなかったですからね。別にだからって予防接種のおかげで元気に過ごせてるとか親に感謝とかは思いませんけど、少なくとも不健康にはなってないていう実績があるわけですよ。その実績をおいて、よくわからない人の根拠の怪しい言説を社会的不利をこうむってまであえてとろうとはどうしても思えない。

そして最初に言ったように予防接種反対派の人達はとても素直で騙しやすい人達なので、私の観測範囲だけでもものすごい確率で似非科学、似非医学、カルト宗教、詐欺団体など絶好のカモにされてる確率も高いです。
他はどうかしらなくても予防接種反対派ってだけで全力で距離置きたくなります。

人は自分の信じたいものを信じる生き物なんだそうで、それによって体験の認識が真反対にすらなります。客観的に自分を含めた世界を見る姿勢は忘れてはいけませんね。

追記

2017.01.18追記

子供が中学生になってから予防接種を受けさせるために保健所に相談に行かれた方のツイートがまとめられてます。

親の考え方の他病気など何らかの事情で予防接種できてない子に後で受けさせたいとなった時に参考になりそうです。

togetter.com

お叱りとかは特になく子供のためを思って予防接種をさせていなくて、でも子供のためを思って今きてくれたんでしょうという対応だったよう。

ここをみると年齢が上がると副反応が強く出ることもあるようで、保健師さんは注射の容量とかも気にされてるっぽいですね。

*1:昭和生まれは一回の接種しかしていなく特に昭和54年4月生まれ以前の人は一度も接種していない可能性があります

*2:入学前に追加接種があります。2回目の接種がなかった時代の人は大人でも受けといたほうがよいみたい。

*3:どっちが正しいとはっきり白黒つかなくても、こういう説もあるのねと知っとくだけでその後の行動はだいぶ違うはずです。

*4:子供の友達にというよりはその親に

*5:風疹など妊娠中にかかると障害が残る可能性が高い病気のワクチンは、自治体で妊娠希望の夫婦むけに一部費用助成をしてくれる場合もあります。

習い事とは違って普段から家庭の中で英語を取り入れた生活をすることで子供の英語力を培うというとりくみのことを「英語育児」や「親子英語」と言います。
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