ネイティブというと日本では英語を母語にしていてぺらぺらの人のことをさすと思うのですが、この日本人の思うネイティブと英語圏におけるnativeの本当の意味はちょっと違うようです。
言語交換交流ができるアプリでとあるカナダ生まれカナダ育ちの方が言ってらっしゃったのですが、「ネイティブですか?」と聞かれると自分の先祖のことを聞かれてるのかと思ってしまうとのこと。
たとえばネイティブアメリカンだと移民がやってくる前からアメリカに住んでる民のことだし、カナダでのネイティブはInuitのこと。
なのでその人達に敬意を払って自分はネイティブではないと答えると。
nativeは在来種というような意味で生物に対して使われるみたいですね。
単に不自由しないで言語を操れるっていう意味ではfluent (流暢)かどうかという質問にした方がいいようです。
海外で、特に移民が多いような国で、nativeを使うときには気をつけた方がいいよという話でした。
という訳で英語学習者はnativeではなく、fluent speakerを目指しましょう。
純ジャパとは何か?
最近日本の英語学習者のブログとかでよく見かけるのが「純ジャパ」という言葉。
これは「自分は完全に日本ルーツでありながら英語を流暢に話せるようになった」っていう文脈でよく見かけます。
この純ジャパに関しては要するに両親や祖父母含め日本で育ち、自分は日本nativeであるってことを言いたいのだと思うのですが、これもちょっと気をつけないといけない言い方ですね。もちろん人種差別をする気があって使っているわけではないのはわかるのですが・・・。
例えば日本から海外に移住した人や移住した後に生まれた子供や、逆に海外をルーツにしていて日本に移住して来た人と日本で生まれたその子供。
どこからどこまでが「純ジャパ」なのでしょうか?
片方の親もしくは両親とも日本人だとしても、ずっと英語圏で育ち学校も英語で過ごしている子の中には英語力の方が強くなり、それに反して日本語の方は年齢層等に追いつけずに今後日本に帰国の予定もないしと習得を諦める人も数多くいます。TVバラエティとかで帰国子女のタレントが変な日本語を使ったり、漢字熟語の回答が変で社会常識もないと笑われてしまってますが、やはり意識的に語学力差を埋めるように日頃からよほど取り組んでいないと、たとえ親が日本語ネイティブだろうと日常会話だけでは自然と伸びるものではありません。そのままでは英語がどれだけ優秀でも日本語英語間のビジネスでは通用しません。
逆のケースもちろんで、親のルーツが英語圏だろうと、日本に住み日本の学校で育っているのであれば家庭以外でも学習を頑張らないことにはビジネス相当どころか留学もいきなりはできないでしょう。日常会話で使う英語だけでは専門分野の学習のための英語は身につきません。
純ジャパであることをわざわざ言ってしまうっていうのは、暗に親のルーツが違ったらバイリンガルなんて楽勝でしょう?みたいな考えがあるのだと思うのですが、そんなことは決してないですからね。
両言語でアカデミック、ビジネスレベルで通用する語学力を持っている人がいるとしたらそれは環境だけではなく本人が頑張ったからです。両親や祖父母が何人だろうと、どこに何年間住んでいようと、それは変わりません。
「外人」が差別用語として嫌悪感を持たれている事は割合知られているのかなと思いますが、この「純ジャパ」もちょっと注意したい言葉だなと思います。
世界に羽ばたくことを夢見て英語を勉強するのであれば、それを取り巻く様々な立場の人の事も是非学んで理解してほしいですね。