英語の試験といえば英検、TOEIC、TOEFLくらいしか知らなかった私。
最近では大学受験がらみで民間試験を利用するとの話もあり、GTECやらCBT方式やら親たちが学生の頃にはなかった試験について調べてみました。
時代とともにいろいろ変わっていますね。
前回の英語の試験中学生まで編に続いて今回は高校大学生編です。一部前回と重複するものも含みます。
今はマークシート方式からPCを利用する方式になるなどかなり英語試験も変化しているよう。
writingの試験が必須化、しかもそれはPCのキーボードでの入力ってことも。
この先タブレットでの受験方式とかもできてくるかもしれませんが、その場合でも一般的な英字入力に使われるqwery配列かな?
今後の動向も気になるところです。
いずれも8%税時のお値段で記載しています。最新の情報は公式サイトでご確認ください。
TOEIC Bridge
こちらTOEICの前の英語初学者向けのテストとして位置付けられています。
もし高校生以上ですでに英検準1くらいの実力があるのであればTOEIC Bridgeはパスして本家TOEICからでもいいかもしれません。
そうじゃなければこちらのほうが試験時間が短く受験料も若干負担がすくないですのでまずは慣らしに。
リスニングとリーディングのTOEIC Bridge Listening & Reading Tests(TOEIC Bridge LR)とスピーキングとライティングのTOEIC Bridge Speaking & Writing Tests(TOEIC Bridge SW)にわかれています。
TOEIC Bridge SWの方は午前か午後の時間指定が選択できます。LRを午前中にうけて午後からSWという風に同日に両方受けることもできます。
どこかの学校施設などが受験会場になるのですが英検とおなじく申し込んだ後に会場が指定され受験者が自由に選ぶことができません。
TOEIC Bridge Listening & Reading Tests
リスニング(約25分間・50問)、リーディング(35分間・50問)、合計約1時間でTOEICの半分となっています。
4,860円(8%税込)または4,950円(10%税込)
TOEIC Bridge Speaking & Writing Tests
スピーキングは8問・約15分、ライティングは9問・約37分で、試験会場にてパソコンとヘッドセッドを使用して受験するテストです。
年齢制限はないようですが、公式サイトには11歳未満で受ける場合は保護者から事前にIIBC試験運営センターに問い合わせてくださいとなっています。SWはPCを操作しての受験になります。英字タイピングの対策も忘れずに。
9,180円(8%税込時)または9,350円(10%税込時)
英検
抜群の知名度を誇るおなじみ英検ですが、昔とかなりかわってます。
センター試験あらため大学共通テストでも採用されることになった英検ですが、過去にとった英検の成績は方式が違うため大学共通テストで利用できないですし注意が必要です。
試験会場で受ける従来の英検の他、オンライン版の英検IBA、大学入試センターにも提出できる英検CBT、完全に受験生のみが受験対象となっている英検S-CBTとその障害者配慮版S-CBT interviewがあります。
英検
準2級が高校中級、2級が高校卒業程度、準1級が大学中程度、1級が大学上級となっています。
筆記とリスニングの試験の1次に受かった後に、別日程で2次試験でスピーキング(面接)のテストがあります。
3級以降、現在は1次試験でライティング(英作文)も追加されています。正しい文法、語彙力の他そもそもの文章の構成(主張、理由、その具体例・・・)が書けてるかなども見られます。
地方での受験は2次試験会場が遠方になったりして結構時間も交通費もかかって大変なんですよね・・・・。試験が1日ですむCBT方式の検討もいいかも。オンラインでうけれる模擬試験的なIBAもあります。
英検IBA
英検のオンライン受験版です。
Reading Listiong Writing Speakingの4技能RLWS
Reading Listiongの2技能RL
Writing Speakingの2技能WS
RLはなんと受験料500円。WSで2,700円、RLWSだと3,000円。
会場で受ける英検と比べるとオンライン版はとてもお安いのですが、今の所受験や就職の際には利用できないです。あくまでも本試験に備えた模擬試験的な位置付けのテストと思った方が良いです。
級はなく全員同じ試験を受けてスコアが出て、英検だと何級相当かTEAPだと何点かというスコア換算をしてくれます。
英検CBT
CBTはComputer Based Testの略。コンピューターを利用しての試験ということ。ただしオンラインと違って会場に行って受験する必要があります。通常の英検では4技能のうちのspeakingが1次を合格してからの別日程になるのですが、CBTの場合は同日に受験になります。
こちらに受かると通常英検の同じ級を取得したとして扱ってもらえます。
1日ですみますし受験者の負担を考えるとこちらの方がいいのではと思うのですが、まだ実施している会場数が少ないようです。
またwritingもPCを使ってになるのでPCのタイピングもある程度できている必要があります。
大学入試で認定されるS-CBTと問題形式、難易度などが共通で、こちらのスコアも大学共通テストでのスコア認定が受けれるとなっています。
英検S-CBT/S-CBT interview
大学入試センターへスコアを認定してもらえる大学入試センター用の試験です。会場に行ってコンピューターを利用しての、リスニングとスピーキングを含めた4技能の試験です。
障がいをお持ちの方向けにアレンジされたS-CBT interviewがあります。
試験会場、日程などは通常とは別に公式ページを参照するようにしてください。
ケンブリッジ英検
日本ではあまり知られていないのですが、世界的には有名でヨーロッパの非英語母国圏の学生はみんな受けているくらいの知名度。日本での英検の立ち位置に近いです。
ケンブリッジ大学によって設立された英語検定なのでケンブリッジ英検と呼ばれているのですが、イギリスへの留学や移住の際に求められるテストであるIELTSとよく比較される試験です。IELTSと違ってケンブリッジ英検の方はあくまでも日常シーンが想定されている試験なので、大学で授業を受ける際に必要になってくる語学力の証明にはなりません。
試験料は受ける級のほか試験場所によっても違うようです。だいたい1万円から2万円台後半くらい、レベルが高いほどおたかくなっています。
オンライン受験版もあるようですが、申し込みはその試験センターに行かないといけないようで、はっきりいって受けづらすぎますね。
他の試験と同じく学校や英語教室などの団体向け会場があって、そこに所属する子であれば受けれるということのようです。
他の非英語圏向けテストと比べると口語的ないいまわしもおおく速度も速いので、リスニングが難しいともいわれています。
海外から帰国してくる学生とかインターナショナルスクールに通っているような子のための試験といってもいいです。
GTEC
私なんかは大学共通テストに採用されたニュースで初めて存在をしったんですが、実は1999年から実施されはじめ現在では中高生の受験者実績を順調にのばして英検につぐくらいの存在になっています。
中高校生向けGTEC以外に小学生を対象としたGTEC junior、大学や社会人向けGTECがあります。
大学や社会人向けGTECはまだまだマイナーなので一般的にGTECといえば中高生向けの試験のことと思っていいです。
GTEC
主に中学生向けcore、中高向けbasic、高校生向けAdvanceで級が分かれています。
こちらは学校単位で申し込みになり個人で受ける場合はコンピューターを使っての受験のGTEC CBTになります。
同じGTECでも受験で利用しようとする場合、大学によってはCBTのスコアではダメなことがあるので注意が必要です。
会場は各学校で模擬試験的なアセスメント版(年2回まで)と本試験である検定版(年3回)があります。
特徴として実力をテストするだけではなく、試験結果を受けての「スキルUPワーク」を用意してくれているなど学習教材を提供しているベネッセらしいなという感じです。もちろんそこから対策問題集とか講座を売りたいんだろうなというのが見て取れますが。
GTEC CBT
GTECのコンピューター受験版です。オンラインではなく会場に行ってPCを操作して受験することになります。
年3回試験日が設定されていますがそのうち2回までを受けれるようです。
申し込みは公式サイトからGTEC IDの登録を行い、その後マイページから受検申し込みをすることができるようになっています。
TEAP
Test of English for Academic Purposesの略。ティープと読みます。
英検を実施している日本英語検定協会と上智学院大学が共同で開発した、日本の高校生向けに作られた試験。
大学の授業を英語で受けれる力があるかを試すいわゆる受験用の英語の試験です。
これまで高2以上からが受験可能でしたが、大学共通入試にも採用されることとなり2019年より高1から受験可能に変更になりました。ただしスコアの有効期限は2年となっています。
TEAP
4技能か2技能かを選択することができます。
TEAP4技能受験料15,000円(税込)
TEAP2技能6,000円(税込)
TEAP CBT
コンピューターを利用する4技能の試験。オンラインではなく試験会場で受験です。
13都市で実施予定ということで地方からはまだ受けずらいですね。
TEAP CBTの受験料15,000円(税込)
TOEFL
TOEFLはTest of English as a Foreign Languageの略。公式にはトーフルと読むのですが人によってはトフル、トイフルなどと呼ぶこともあります。
非英語圏の学生が英語圏での大学への留学可能な英語能力があるかを証明することを目的とした試験です。
アメリカの大学、大学院への留学を考えているならば必須ですし、最近では日本の大学、大学院でも入試に利用できるようになってきました。日本国内の企業での就職でもスコアを聞かれることが多いです。
PC利用版がTOEFL iBTですが現在オンラインが利用できない地域のみペーパーでの試験TOEFL PBCが実施されており、一般的にTOEFLといえばTOEFL iBTのことをさします。
団体むけのTOEFL ITP試験が別にあります。
TOEFL iBT
インターネットに接続されたPCを使っての受験になります。iBTはInternet Based Testの略。
受験はTOEFLの受験センターで受けることになります。
ライティングはPCを使ってになるのでタイピングの技能も必要です。
土曜もしくは日曜日で毎月月2〜3回程度実施されています。
受験費用はUS$235で2万5千円程度となかなかなお値段です。
TOEFL ITP
申し込み団体に所属する受験者が10名以上いればその団体の用意する場所で受験できることになっています。詳しくはこちら
iBTとは試験方式・スコア形式が違い、マークシートです。
iBTへのスコア換算の目安はありますがTOEFL ITPの方は非公式TOEFLスコア。留学、就職、移住などではこちらのスコアを利用できません。
主に企業内や学校内でのみ通用する英語力把握のために実施されているものです。例えば研修、語学留学などのクラス分けなどに利用されています。
つまりTOEFLの模擬試験的なものです。
IELTS
IELTSはアイエルツと読みます。International English Language Testing Systemの略。
大学入試や留学で利用されることが多いですがイギリス、カナダ、オーストラリア移住の際にも利用されることがあります。
受験に際してパスポートが必要です。
英語での授業についていけるかをテストする留学用のアカデミック・モジュールと移住用の学校以外での研修や移住の際に必要な英語力があるかをテストするジェネラル・トレーニング・モジュールというテストタイプが存在します。
留学について以前は利用できなかったアメリカの大学でもIELTSのスコアが利用できるところが増えています。日本の大学入試でも利用できるようになってきました。
試験はほぼ毎週実施されており、日本での会場数は少ないです。
日本では日本英検協会が本国運営と共同運営しています。
受験費用25,380円となかなか・・・・なお値段。
TOEIC
TOEICはTest of English for International Communicationの略でトーイックと読みます。
日本の企業では英語力をはかる試験として抜群の知名度を誇りますが、受験者はほぼ日本と韓国のみで世界での知名度がありません。
日常的なコミニュケーションでの英語力をはかるための試験で、アカデミック的なことはTOEFLやIELTSでと役割を分けています。
一般的にTOIECというとTOIEC L&Rの聞くと読む2技能のみの試験のことをさします。
しかし4技能が求められる時代になってきてspeaking とwritingのS&Wも近年では受験者が増えてきているようです。
TOEIC L&R
ListningとReadingの試験です。
ListningとReadingのL&R 5,725円
speaking とwritingのS&W 10,260円
リピート受験での割引制度あり
でどれを受ければいいの?
受験生用
大学入試センターで認定される英語の民間試験として名前が挙がっていたのは英検、ケンブリッジ英検、GTEC、IELTS、TEAP、TEAP CBT、TOEFL iBT、TOEICの8つでした。
ただし共通テスト用の受験者対応(地方での会場整備や採点結果提供など)ができず、それぞれの試験でスコア変換も容易にできないので2019年現在では共通試験での利用は中止すべきだという有識者各位の意見も多数あり混乱を極めています。
その混乱を受けてすでにTOEICは2019年7月には共通試験からの撤退を表明しています。
このあたり学校からもフォローがあるとは思いますが、大学入試試験制度の大変更に当たって先生も正確に把握していないことがあるようなので、学校任せにせずに自分で情報を追ってくださいね。
今後どうなるかわからないので最新のニュース動向に注目ですね。
国公立以外でも英語試験において大学が入試時に優待対象や加点対象にしていることが多いのが英検、IELTS、TEAP、TOEFL。中には出願資格をこれらの試験のスコアで足切りしていることもあるので志望校の要綱を早めに確認しておいてください。
なんだかんだいって一番受けやすそうな英検、次点は就職や大学院進学のときにも役立ちそうなTOEFLあたりがおすすめです。
留学用
どこの学校へ留学したいかによって変わってきます。
イギリス、オーストラリアなどは IELTS
アメリカ その他英語圏 TOEFL iBT
と言われていますがどちらでも利用できる大学も多いです。
これはあくまでも英語で授業を受けるための語学力の証明に使われる試験であって、この他に各大学の求める試験(SATやACTなど)やエッセイ(志望理由書)などがありますので志望先の情報をしっかりリサーチする必要があります。
IELTSで学生ビザ取得に必要なスコアは 5.5(B2レベル)、大学で必要なスコアは5.5~6.0、大学院の場合は6.5~7.5が目安。
TOEFL iBTで大学80以上、大学院85以上が目安となっています。
就職活動用
就職時にはTOEIC次点でTOEFL、IELTSのスコアを聞かれることが多いです。
英検は2級以上なら一応履歴書にはかけますが、それくらいはもはや持っていて当たり前なので英語力のアピールとしては弱いです。就職活動サイトで英検は1級からしか登録できないみたいなところもあるよう。しかし同等の英語力レベルでもなぜか英検よりスピーキングとライティングがないTOEIC L&Rスコアの方が評価されている傾向にあります。
というわけで大学に入ってから日本国内企業に限っての就職用に勉強しはじめるなら今の所はTOEICでいいです。
一部企業ではTOEICスコアで足切りをしていると言われており、一般的にはTOEICスコア600くらいが最低限ライン。
中途採用の際はいわゆる大企業だと700くらいと新卒時より高いスコアが求められる傾向があります。
また海外赴任があるような企業であれば800くらいが欲しいところと言われています。
あくまでも今のところは、なので数年後は足切りスコアがもうちょっとあがってTOIEC S&Wスコアも必須になっている気がします。
外資系企業とかだとTOEICではなくTOEFLかIELTSが求められます。